ビットコインは復活するのか？

昨年11月のFTX破綻以降しばらく低迷していたビットコインが、1月になって突然上昇して300万円を回復した。これはビットコイン完全復活の兆しと言っていいのだろうか？

FTX破綻で仮想通貨市場低迷

2022年は世界的なインフレ抑制のためアメリカなど多くの国が利上げを行い、その影響で2021年にバブルとなった仮想通貨市場は崩壊。ビットコインを初め多くの仮想通貨が暴落した。

仮想通貨安に拍車をかけたのが、11月のFTX破綻だった。海外大手取引所のFTXは顧客から預かった資金をグループ企業の事業に流用しており、そのため顧客からの出金依頼に対応ができなくなって11月11日に破綻した。

FTX破綻は仮想通貨に対する不安を増大させ、その後しばらくの間仮想通貨市場は低迷。ビットコインも220万円付近まで下がり、その後約2ヶ月はほとんど上がらなかった。

1月に突然上昇

しかしビットコインは死んでおらず、1月10日頃から突然上昇が始まった。1月9日時点ではまだ225万円付近で低迷していたレートは、10日から上昇が続き下旬になると300万円を回復した。海外ブローカーのEasymarketsでビットコインのチャートを見られるが、1月のチャートを見ると急激に上がっていることがわかる。

この突然の上昇の原因ははっきりとはわかっていない。だが昨年12月頃から多くの国でインフレが収束し始めた兆しが見られ、今後は各国の利上げも減速から停止に向かうとの観測が広がった。利上げによる金融引き締めが停止に向かうとの見通しは、仮想通貨市場にとって追い風となったと見られている。

上昇は今後も続くのか？

では1月の上昇が2月以降も続く可能性はあるのだろうか？仮想通貨の将来のレートを予測することは難しいので、正確な答えは誰にも出せない。ただ見通しを述べるならば、今後アメリカや他国の利上げの減速・停止が進めば仮想通貨にとって買い材料になるだろう。その場合2月以降も上昇が続くことは期待できる。

ただし2021年のようなバブル相場を期待することは難しい。2021年の仮想通貨バブルは、世界各国が空前の規模で金融緩和を行っていたからこそ起こった現象だ。

今後各国が利上げの減速・停止を行うとしても、その後すぐに利下げをしてさらに2020～21年のような大規模緩和を行うことはないだろう。つまり2021年のような状況は戻ってこない。

今後バブル相場を期待するのは難しいとはいえ、ビットコインは2月以降に多少は続伸することは十分ありえる。